お風呂の水がぬけるときの渦は、いつも同じ向き?
まず、答え
お風呂の水がぬけるときの渦の向きは、いつも同じとは限りません。同じお風呂でも、右回りになったり左回りになったりします。向きを決めているのは、水がぬける前にほんの少し動いていた向きや、お風呂と排水溝の形です。
どうして?
水がぬけるとき、真ん中に吸いこまれながらぐるぐる回ります。このとき、ぬける前に水がわずかでも動いていると、その動きが中心に集まって、どんどん速い渦になります。だから、手でかき回したあとのくせや、お風呂の形のかたよりで、向きが決まります。よく「北半球と南半球で渦の向きが逆になる」と言われますが、お風呂くらいの小ささでは、地球の自転地球が自分でくるくる回ること。昼夜のもと。の力(コリオリの力)は弱すぎて、ほとんど関係ありません。
もう一歩
地球の自転が生む「コリオリの力」は本物ですが、はたらきはとても小さく、お風呂サイズでは水の最初のわずかな動きや容器の形の影響のほうがずっと大きくなります。実際、条件をとても丁寧にそろえた実験では、北半球で反時計回りになる傾向が確認されています。ただ、ふだんのお風呂ではそこまで条件がそろわないので、向きはバラバラになるのです。一方、台風のような数百kmの大きな渦になると、コリオリの力が効いて、北半球では反時計回りにそろいます。同じ「渦」でも、大きさによって主役が入れかわるのが面白いところです。
へぇ、となる話
フィギュアスケートの選手が、広げた手を胸に引きよせると回転が速くなります。あれと同じで、水も中心に近づくほど速く回ります。これは「回りつづけようとする勢い(角運動量)」がはたらくからです。
身のまわりの同じしくみ
洗面台の水、トイレの水、コーヒーをスプーンでかき回したときの渦。どれも「最初のちょっとした動き」と「中心に集まること」で、回転の向きと速さが決まります。