犬は、どうしてしゃべれないの?
まず、答え
声を出す体のつくりと、脳のはたらきが、人とちがうからです。ただし、話さないだけで、伝えていないわけではありません。
どうして?
人が言葉を話せるのは、のどと口の形が、音を細かく作り分けられるようになっているからです。声のもとになる音を、のど・舌・くちびるの形を変えることで、「あ」や「か」といったちがう音に変えています。
犬の口やのどは、その形とはちがいます。物をかむこと、体の熱を外に出すことに向いた作りをしていて、人のように細かく音を変えることができません。だから、いくら練習しても、人の言葉の音を作り出すのはむずかしいのです。
もう一歩
ただし、体のつくりだけが理由ではありません。もっと大きいのは、脳のはたらきです。
人は、意味を持つ音をたくさんおぼえ、それを組み合わせて文を作ります。しかも、ならべる順番を変えれば、今まで一度も聞いたことのない文でも、その場で作って伝えられます。この「組み合わせて、新しく作る」ところが、人の言葉のいちばんの特ちょうです。
オウムやインコは、人の声をそっくりまねできます。けれど、音をまねることと、意味を組み立てることは別のはたらきです。手話をおしえられたチンパンジーは、たくさんの単語をおぼえましたが、人のように文法をあやつるところまでは届きませんでした。声が出せるかどうかより、頭の中でどう組み立てるかが、大きな分かれ目なのです。
へぇ、となる話
犬は、伝えていないわけではありません。しっぽの動き、耳の向き、体の姿勢、鳴き声の使い分け、そしてにおい。たくさんの方法で、気持ちや情報を伝えています。人が読み取れていないだけ、ということもあります。
しかも、受け取る力はかなりのものです。犬の中には、100個以上の物の名前をおぼえ、言われたおもちゃを持ってこられる子もいます。話せないことと、分かっていないことは、別なのです。
身のまわりの同じしくみ
犬のしっぽ、猫の鳴き分け、鳥のさえずり、ミツバチのダンス。言葉でなくても、伝え合う方法はたくさんあります。