株式会社は、どうやって生まれたの?
まず、答え
遠い海のむこうへ船を出す商売から生まれました。当たれば大もうけ、沈めば全部おしまい。この「大きいけれど、こわい」商売のために、お金を広く少しずつ集め、損の大きさにも上限をつけた。それが株式会社のはじまりです。今から四百年ほど前、オランダで形になりました。
どうして?
そのころのヨーロッパでは、アジアからこしょうなどの香辛料を運ぶ商売が大人気でした。しかし、船が出てから帰るまでに何年もかかり、あらしや事故で帰ってこないこともあります。
はじめは、一回の航海ごとにお金を集め、船が帰ってきたら分けて解散する、というやり方でした。けれどこれでは、船や倉庫をずっと持っておけません。次の航海のたびに、また一から集めなおすことになります。
そこで1602年、オランダで作られた東インド会社は、思い切ったことをしました。一回ごとではなく、会社を長く続くものにして、お金を出した証明として「株」をわたしたのです。しかもその株は、ほかの人に売ってかまわない。お金が必要になったら株を売ればいい。こうして、たくさんの人が安心してお金を出せるようになりました。
もう一歩
この発明で大事なところは、二つあります。
一つは、責任に上限をつけたこと。会社が失敗しても、株を買った人が失うのは、出したお金までです。それ以上、家や畑まで取り上げられることはない。損の大きさが先に分かっているから、思い切って出せるのです。
もう一つは、株を売り買いできるようにしたこと。オランダのアムステルダムには、その株を取り引きする場所ができました。これが、今の証券取引所のもとになります。
そして、お金を出す人は、会社の仕事そのものはしません。仕事は、まかされた人たちがやる。持つ人と、やる人が分かれた。だから会社は、始めた人がいなくなっても、続いていけるようになったのです。
へぇ、となる話
この東インド会社は、当時としては桁ちがいの大きさになったと言われています。ただし、いいことばかりではありませんでした。会社は軍隊のような力まで持ち、アジアの国々を支配することにも使われたのです。強い仕組みは、良いほうにも悪いほうにも、大きく働きます。今の会社に守るべきルールがたくさんあるのは、その反省の上にあります。
身のまわりの同じしくみ
たくさんの人から少しずつお金を集めて、一人ではできないことを実現する。クラウドファンディングは、まさに同じ考え方の、今の形です。