なぜサケは、川と海の両方で生きられるの?
まず、答え
えらのはたらきを切りかえて、体の中の塩加減をいつも同じにたもてるからです。
どうして?
生きものの体の中には、少しだけ塩がとけた水があります。この濃さは、いつも同じにしておかないといけません。
ところが、まわりの水の濃さは川と海で正反対です。川の水は体の中より薄いので、水がどんどん体に入ってきます。だからサケの子どもは、水をほとんど飲まず、薄いおしっこをたくさん出して、余分な水をすてます。海の水は体の中よりずっとこいので、こんどは体から水が出ていきます。だから海のサケは、海水をごくごく飲んで、いらない塩をえらから外へすてます。
同じ魚が、この正反対のやり方を両方できるのです。
もう一歩
切りかえは、いきなりできるわけではありません。海へ下る前、川にいる子どものサケの体は銀色に変わります。これをスモルト化(銀化)といいます。
このとき、えらの中に塩をすてる専用のはたらきをする細胞(塩類細胞)が増え、海水に入っても塩を外へ出せるようになります。合図を出しているのは体の中のホルモンで、日の長さや水温の変化がきっかけになります。つまり、体は海へ行く前に、あらかじめ準備をすませているのです。準備ができていないうちに海に入ると、生きていけません。
へぇ、となる話
だから、ふ化場で育てたサケの稚魚をいつ川へ放すかは、とても大事です。早すぎても遅すぎてもいけません。体の準備ができ、川の水温が上がり、海にえさが増える時期。この3つが重なるタイミングをねらって放流しています。
身のまわりの同じしくみ
ウナギはサケと逆で、海で生まれて川で育ちます。アユやシシャモも、川と海を行き来する仲間です。海の魚を川の水に入れても生きられないのは、この切りかえができないからです。