サケの卵は、いつ孵るの?
まず、答え
毎日の水の温度をたし算していって、合計がおよそ480℃になったころに孵ります。
どうして?
卵の中で赤ちゃんが育つ速さは、水の温度で決まります。冷たい水ではゆっくり、あたたかい水では速く育ちます。だから「産んでから何日たったか」だけでは、いつ孵るかは決まりません。
そこで使うのが、毎日の水温をぜんぶたした合計です。サケ(シロザケ)の場合、その合計がおよそ480℃になったころに孵ります。たとえば水温が8℃の川なら、8×60日=480なので、およそ60日。水温5℃の冷たい川なら、5×96日=480で、およそ96日もかかります。
もう一歩
この「毎日の温度の合計」を積算温度といいます。かけ算に見えるのは、水温がずっと同じときだけで、ほんとうは毎日たし算をしています。あたたかい日が続けば早く、寒い日が続けばおそくなります。
サケの卵は、合計240℃くらいで卵の中に黒い目が見えてきて(発眼)、480℃で孵ります。孵ったばかりの赤ちゃんは、おなかに大きな栄養のふくろをつけていて、石のすきまでじっとしています。そして合計が960℃くらいになると、ふくろを使いきって泳ぎ出します(浮上)。北海道のふ化場では、8℃前後の湧き水で卵を育てています。
ただし、これは目安です。とても冷たすぎたり、あたたかすぎたりすると、この計算どおりにはいきません。
へぇ、となる話
同じ考え方は、桜の開花予想にも使われています。2月1日からの毎日の最高気温をたしていき、合計が600℃くらいになると咲く、という目安です(600℃の法則)。魚の卵も、花のつぼみも、「あたたかさの合計」を数えながら、次の出番を待っているのです。
身のまわりの同じしくみ
畑の作物がいつ収穫できるか、メダカの卵がいつ孵るか、虫がいつ出てくるか。どれも「気温の合計」で見当をつけられます。