サケはなぜ、生まれた川に戻れるの?
まず、答え
子どものころにおぼえた、生まれた川のにおいをたよりに戻ってくると考えられています。
どうして?
川の水のにおいは、川ごとにちがいます。まわりの土や岩、生えている木や草がちがうので、水にとけこむものもちがうからです。人にはわからないくらいのちがいですが、サケの鼻はそれを感じ分けます。
サケの子どもは、海へ下る前に、その川のにおいをしっかりおぼえます。そして何年も海で育ったあと、生まれた川の河口に近づくと、記憶にあるにおいを見つけて、その川へ入っていきます。
もう一歩
ただし、においは川の近くまで来ないとわかりません。北海道のサケは、オホーツク海や北太平洋、ベーリング海まで行って数年を過ごします。そんな遠くから、においだけで戻るのは無理です。
そこで大きな海では、別の手がかりを使っていると考えられています。有力なのが、地球の磁石のはたらき(地磁気)です。場所によって磁石の向きや強さがわずかにちがうので、それを感じて、だいたいの方向を知るというしくみです。遠くは地磁気で、近くはにおいで。二段構えで帰ってきます。
へぇ、となる話
どれくらい正確なのでしょうか。北海道の川で調べた研究では、その川に戻ってきたサケのうち、ほかの川で生まれた「まよいこみ」は平均で0.24%、いちばん多い川でも2.24%と見積もられています。1000匹のうち2匹か3匹しかまちがえない、ということです。
身のまわりの同じしくみ
渡り鳥が毎年同じ場所に戻る、ハトが遠くから家に帰る。どれも、においや太陽、地磁気など、いくつもの手がかりを組み合わせて道を知っています。