天敵がいるのは、こまったことなの?
まず、答え
食べられる側にとってはこまったことですが、自然全体で見ると、天敵は数のバランスを保つ役目をしています。
どうして?
食べる側と食べられる側の数は、いつもゆれ動いています。草食動物が増えると、それを食べる肉食動物も、えさが多いので増えます。肉食動物が増えると、草食動物は減ります。すると、こんどは肉食動物のえさが足りなくなって減り、また草食動物が増えはじめます。
このくり返しで、どちらも増えすぎず、絶えもしない状態がつづきます。天敵は、相手を減らすためだけにいるのではなく、結果として、その場所全体をつづけさせているのです。
もう一歩
天敵がいなくなると、どうなるでしょうか。北海道では、明治のころにエゾオオカミが絶滅しました。エゾシカを食べる大きな天敵がいなくなり、その後、エゾシカは数を増やしました。数が増えすぎると、森の若い木や草を食べつくし、次の世代の木が育たなくなります。畑の作物が食べられる被害も起きます。
いまは人が狩りをして数を調整していますが、これは本来オオカミがしていた役目を、人が代わりにやっているということです。ひとつの生きものがいなくなると、その影響は思わぬところまで広がります。
へぇ、となる話
食べられる側も、ただやられているわけではありません。速く走る、群れをつくる、体の色をかくす、においを出す、毒を持つ。食べる側も、それに合わせて速さや目や鼻をみがきます。おいかけっこがつづくうちに、どちらもきたえられていきます。
身のまわりの同じしくみ
畑の害虫を、テントウムシやカエルが食べる。池の水草が増えすぎないよう、魚が食べる。身近な場所でも、食べる・食べられるが数を整えています。