ワクチンは、どうやって生まれたの?
まず、答え
ワクチンは、「一度かかった病気には、二度はかかりにくい」という体のしくみを利用した、病気を防ぐ工夫です。その始まりは、ある言い伝えを、ていねいに確かめたことでした。
どうして?
昔、天然痘というこわい病気がありました。ジェンナーというお医者さんは、「牛の軽い病気(牛痘)にかかった乳しぼりの人は、天然痘にかからないらしい」という、地元の言い伝えに注目しました。ふつうなら「へぇ」で終わる話を、「本当だろうか?なぜだろう?」と、確かめてみようとしたのです。
もう一歩
ジェンナーは観察を重ね、軽い牛の病気にかかった人が、こわい天然痘に強くなることをたしかめました(今では、こうした確かめ方は、安全ときまりをきびしく守って行われます)。これが、世界で初めてのワクチンにつながりました。体には、一度出会った病気の「特ちょう」を覚えて、次に来たときに素早くやっつける力(免疫)があります。ワクチンは、その病気の弱いものや一部を体に見せて、「予行練習」をさせておく工夫なのです。言い伝えという小さな手がかりを、観察と検証で確かなものに変えた。まさに、推論して、たしかめて、役立てた例です。そしてワクチンのおかげで、天然痘は、地球からなくなった(根絶された)ただひとつの、人の感染症になりました。
へぇ、となる話
「ワクチン」という名前は、ラテン語の「牛」からきています。牛の病気から始まった歴史が、今も名前に残っているのです。
身のまわりの同じしくみ
学校で受ける予防接種も、この長い歴史の先にあります。目に見えない病気から体を守る知恵が、今も受けつがれています。