なんで、人間はいるの?(人間は、どうやって生まれてきたの?)
まず、答え
科学では、「何のために人間がいるのか」には答えられません。答えられるのは、「人間がどうやって生まれてきたのか」です。宇宙が始まり、地球ができ、海の中で小さな命が生まれ、それが長い時間をかけて少しずつ変わっていった。その流れの先に、いま人間がいます。
どうして?
話は約138億年前、宇宙の始まりからはじまります。宇宙は小さく熱い状態から広がり、冷えながら星や銀河ができていきました(ビッグバン)。
約46億年前、太陽のまわりで、ちりや岩が集まって地球ができました。はじめはどろどろに熱い星でしたが、冷えていくと雨がふりつづき、海ができました。
約38億年前には、その海の中に、最初の命が生まれていたと考えられています。目に見えないほど小さな、細胞ひとつだけの生きものです。どうやって命が生まれたのかは、まだはっきりわかっていません。いまも研究が続いている、大きななぞです。
そこから先は、「進化」です。生きものは子どもを残すとき、親とほんの少しちがう子が生まれます。そのとき住んでいる場所で生きのびやすい性質をもったものが、より多く子どもを残します。これを何十億年もくり返すうちに、細胞がたくさん集まった生きもの、魚、陸に上がる生きもの、と、すがたを変えていきました。
人間の祖先がチンパンジーの祖先と分かれたのは、約700万年前です。いまの人間と同じ種類、ホモ・サピエンスがアフリカにあらわれたのは、約30万年前です。
もう一歩
進化には、ゴールがありません。「人間になるため」に生きものが変わってきたのではなく、そのときどきで生きのびた生きものの子孫が、たまたま今の人間になった、と考えられています。犬もカラスもアサガオも、同じように38億年の歴史の先っぽにいる、人間の遠い親せきです。
だから、人間だけが特別にえらいわけではありません。それでも人間には、ほかの生きものにはあまり見られない力があります。ことばを使って、見たことのないことや、昔や未来のことまで考えられることです。「なんで人間はいるの?」という問いを立てられること自体が、その力のあらわれです。
へぇ、となる話
地球の46億年を1年のカレンダーにちぢめてみます。1月1日に地球ができたとすると、最初の命が生まれるのは3月のはじめごろ。恐竜があらわれるのは12月の半ばです。ホモ・サピエンスがあらわれるのは、12月31日の夜、11時26分ごろ。人間の歴史は、1年の最後の30分あまりしかありません。
もうひとつ。わたしたちの体をつくっている炭素や酸素は、もともと宇宙の始まりにはほとんどありませんでした。星の中でつくられ、星が一生を終えたときに宇宙にまきちらされたものです。わたしたちの体は、むかしの星のかけらでできています。
身のまわりの同じしくみ
親と子が似ているのに、まったく同じではないこと。きょうだいでも顔や性格がちがうこと。化石に、いまはいない生きもののすがたが残っていること。どれも、生きものが少しずつ変わりながら命をつないできたあとです。