なぜ、目の錯覚(さっかく)が起きるの?
まず、答え
目の錯覚は、脳が「たぶんこうだ」と予想して見せるために起きます。目から届いた情報を、脳が経験にもとづいて組み立てるとき、実際とちがう見え方になることがあるのです。
どうして?
見ているのは、目ではなく脳です。脳は、少ない情報から、すばやく「こう見えるはず」と組み立てています。
ふだんは、それで正しく見えます。でも、うまくだます図形を見せると、脳の予想がはずれて、実際とちがって見えます。同じ長さの線が、まわりにつけた矢印のせいで、長さちがいに見えたりするのです。
もう一歩
錯覚が起きるのは、脳が「効率よく・すばやく」判断するための工夫の、裏返しです。明るさ・大きさ・動き・色は、まわりとの「くらべっこ」で感じるので、まわりを変えると、だまされます。同じ灰色が、まわりで明るくも暗くも見えたり、止まった絵が動いて見えたりします。
錯覚は、目や脳の欠陥ではなく、ふだん役立っている「予想のしくみ」が、特別な場面で表に出たものです。じつは、数字やグラフの見せ方でも、同じように印象がだまされます。だから「見えたまま」を、ときには疑ってみることも大切なのです。
へぇ、となる話
手品がだませるのも、脳の予想を利用しているからです。手品師は、脳が「当然こうなるはず」と思い込むすきに、ちがうことをします。錯覚のしくみを知ると、少しだけ、だまされにくくなります。
身のまわりの同じしくみ
だまし絵、錯視の図形、手品、遠近法の絵、そしてグラフの見せ方。どれも、脳の予想を利用しています。