薬の「ペニシリン」は、偶然から生まれたってほんと?
まず、答え
病気を治す薬「ペニシリン」は、研究者フレミングが、実験の失敗のような偶然から見つけました。でも、その偶然を見のがさなかった観察力が、大発見につながりました。
どうして?
フレミングは、細菌を育てるお皿を、うっかりそのままにして出かけてしまいました。もどってみると、お皿にはカビが生えていました。ふつうなら「失敗した」と、すててしまうところです。でも彼は、あることに気づきました。カビのまわりだけ、細菌が育っていない。まるで、カビが細菌をやっつけているように見えたのです。
もう一歩
フレミングは「このカビは、細菌をころす何かを出しているのでは?」と考えました。これが推論です。そのはたらきのもとを「ペニシリン」と名づけました。ただ、薬として使えるようにするのは、とても大変でした。のちに、フローリーやチェインたち別の研究者が、たくさんの実験を重ねて、ようやく本物の薬に仕上げました。ペニシリンは、それまで治せなかった多くの感染症から、数えきれない命を救いました。大切なのは、偶然そのものより、偶然の中の「あれ?」を見のがさず、問いに変えて確かめたことです。ねらっていなかった発見も、準備された心と、あきらめない検証があってこそ、実を結ぶのです。
へぇ、となる話
「偶然の幸運な発見」を、セレンディピティといいます。でも、同じ偶然を目の前にしても、気づける人と、通り過ぎる人がいます。日ごろ「なぜ?」と見る目が、幸運をつかまえるのです。
身のまわりの同じしくみ
すり傷にぬる消毒や、病院で出される薬。目に見えない細菌とたたかう力は、あの1枚のお皿の観察から広がりました。