一生のあいだに心臓が打つ回数は、どの動物もだいたい同じ?
まず、答え
だいたい同じです。哺乳類では、一生の心臓の鼓動がおよそ15億回になる、という目安が知られています。
どうして?
ネズミの心臓は1分に600回ほど打ちますが、寿命は2〜3年です。ゾウは1分に20〜30回とゆっくりですが、60年以上生きます。どちらも、1分の回数と一生の長さをかけ算すると、15億回くらいの近い数になります。
速く打つ動物は短く、ゆっくり打つ動物は長く。速さと長さが、ちょうど打ち消し合うようにできているのです。
もう一歩
これは、時計の針の進み方がちがう、と考えるとわかりやすくなります。ネズミにはネズミの時間があり、ゾウにはゾウの時間がある。人間から見ればネズミの一生は短いけれど、ネズミ自身にとっては、じゅうぶんに長い一生なのかもしれません。
大事なのは、この15億回がぴったりの数ではないということです。たくさんの動物をならして出した目安で、外れる動物もいます。とくに人間は例外で、20億回をこえます。医療や食べ物、安全なくらしによって、生まれつきの長さより、ずっと長く生きられるようになったからです。
へぇ、となる話
この考え方は、生物学者の本川達雄さんが『ゾウの時間 ネズミの時間』という本で広く紹介しました。数字をならべて、そこにひそむ規則を見つけ、さらに「では、外れているものは何を意味するのか」と考える。これは科学の、とても大事な進め方です。
身のまわりの同じしくみ
走ったあとに胸がドキドキするのは、体がエネルギーをたくさん使っているから。動物ごとの一生の速さも、これと同じ理由でちがってきます。