揚げるって、どういうこと?あのあわの正体は?
まず、答え
揚げるとは、高い温度の油の中で、食べものの水を油と入れかえていく調理です。揚げているときに出るあわは、油ではありません。食べものの中から出てきた水が、湯気になったものです。
どうして?
水は100度より熱くなれませんが、油は160度から180度まで上がります。だから油の中では、水の中よりずっと高い温度で火を通せます。
食べものを入れると、中の水が熱せられて水蒸気になり、外へ出ようとします。その通り道ができ、水が出ていったすきまに、かわりに油が少し入ります。この入れかえが進むと、外はカラッとかたく、中はしっとり、という揚げものになります。
音がだんだん静かになるのは、出ていく水が減ってきたサインです。
もう一歩
油の温度が低すぎると、水蒸気の出る勢いが弱いので、油が中まで入りこみ、べちゃっとした揚げものになります。高すぎると、表面だけが先にこげて、中が生のままになります。だから温度計や、衣を少し落として浮き上がり方を見る方法で、温度を見ます。
衣には2つの役目があります。ひとつは、食材の水をとじこめて、中をしっとり保つこと。もうひとつは、自分が水を出しながらかたくなって、サクサクの層になることです。天ぷらの衣を冷たい水で作り、混ぜすぎないようにするのは、小麦粉のグルテンをつなげないためです。グルテンが少ないほうが、水がぬけやすく、軽い衣になります。
二度あげは、一度目の低めの温度で中まで火を通し、いったん取り出して休ませ、中の水分を表面に移動させてから、二度目の高温で一気に外側の水をとばす方法です。休ませる時間も、調理の一部なのです。
へぇ、となる話
揚げものの「ジュワーッ」という音は、油の音ではなく、水が水蒸気になってはじける音です。音を聞けば、中でどれくらい水が出ているかがわかります。目で見るだけでなく、耳でも料理はわかります。
身のまわりの同じしくみ
からあげ、天ぷら、フライドポテト、ドーナツ、揚げせんべい。どれも「水を出して、油と入れかえる」という同じ道すじでできています。