炒めるのと焼くのは、どうちがうの?
まず、答え
炒めるのは、少なめの油を使って、食べものを動かしながら、短い時間で高い温度に当てる調理です。焼くのが「動かさずに、一か所をじっくり」なら、炒めるのは「動かして、全体をまんべんなく」です。
どうして?
フライパンで熱いのは、なべ底のごく一部です。食べものを動かすと、どの面も順番になべ底にさわり、全体が同じくらいに火が通ります。
油は、味をつけるためではなく、熱を伝える薄い層として使われます。油がないと、食材とフライパンの間にすきまができて、当たったところだけが焦げてしまいます。
炒めものの材料を小さく、大きさをそろえて切るのも同じ理由です。短い時間で中まで届かせるには、小さくするのがいちばん確実だからです。
もう一歩
炒めものがべちゃっとしてしまう、いちばんの原因は、一度に入れすぎることです。
たくさん入れるとフライパンの温度が下がります。温度が下がると、食材から出た水が蒸発しきれずにたまり、いつのまにか「炒める」ではなく「煮る」になってしまいます。強めの火で、少しずつ、よく動かす。それが炒めもののこつです。
火の通りにくいものから順に入れるのも、全部を同じ時間で仕上げるための工夫です。にんじんとにらを同時に入れれば、どちらかが必ず失敗します。
ねぎ・にんにく・しょうがを、はじめに油であたためるのは、香りの成分が水より油にとけやすいからです。油に香りを移してから、材料を入れる。中華料理でよく使われる、香りの設計です。
へぇ、となる話
中華鍋が丸いのは、材料を集めたり広げたりしやすく、なべ肌の熱いところに当て続けられるからです。強い火と丸い鍋で一瞬だけ起きるこげの香りを、中国語で鍋気(ウォックヘイ)と呼びます。道具の形が、味の名前になった例です。
身のまわりの同じしくみ
野菜炒め、チャーハン、焼きそば、きんぴら。どれも「動かして、水を飛ばしながら、短時間で」という同じ考え方でできています。