料理の知識を、自分のアイデアにつなげるには?
まず、答え
これまで学んだことは、ばらばらの知識ではありません。「熱・味・時間」という3つのつまみとしてまとめると、料理は自分で組み立てられるようになります。レシピは、だれかが決めたつまみの位置を書きうつしたものにすぎません。
どうして?
どんな料理も、つきつめると3つの問いに答えているだけです。
熱をどう当てるか。焼く・揚げる・炒めるは表面を高温に、煮る・蒸す・ゆでるは100度どまりで中まで。この選び方で、香ばしさか、やわらかさか、が決まります。
味をどう入れるか。うまみを土台に、塩・あまさ・酸・香りを重ねる。塩は水を引き出し、うまみは塩を減らしてくれる。この重ね方で、味の深さが決まります。
時間をどう使うか。しみこむのは冷めるとき、やわらかくなるのは長く煮たとき、香りが立つのは仕上げのとき。この使い方で、仕上がりが決まります。
もう一歩
知識をアイデアに変えるコツは、「このレシピは、なぜこの手順なのか」と問い直すことです。
なぜ最初に肉を焼くのか。香りを作るためだと知っていれば、香りがいらない料理では省ける、と気づけます。なぜ砂糖が先で、しょうゆが後なのか。入りやすさと香りの飛びやすさだと知っていれば、別の調味料でも順番を自分で決められます。なぜ火を止めて冷ますのか。味がしみるのは冷めるときだと知っていれば、時間がないときの代わりの手を考えられます。
理由がわかると、置きかえができます。だしがなければトマトやチーズでうまみを足す。オーブンがなければ蒸してから焼く。ひとつの正解ではなく、いくつもの道が見えてきます。
そして、うまくいかなかったときこそ学べます。べちゃっとした、こげた、味がうすい。それぞれに理由があります。入れすぎて温度が下がった、水がのこっていた、しみる時間がたりなかった。原因がわかれば、次はつまみを動かせます。失敗は、つまみの位置を教えてくれる実験結果です。
へぇ、となる話
プロの料理人も、科学者も、していることは同じです。仮説を立て、試し、結果を見て、次に生かす。台所は、いちばん身近な実験室です。食べられる実験ができる場所は、そう多くありません。
身のまわりの同じしくみ
自由研究、工作、絵をかくこと、プログラム「こうしたら、こうする」の手順。。どれも、基本のしくみを知り、なぜそうなるかを問い、自分で組み立てる、という同じ道すじでできています。