レシピなしで、自分で料理を作ってみよう
まず、答え
食材を選び、調理法を決め、味つけを考える。この3つを自分でつなげば、レシピがなくても料理はできます。ここまで学んだ「熱・味・時間」のしくみが、そのまま設計図になります。作りながら、味を見て、直していけばいいのです。
どうして?
料理を自分で組み立てるとき、順番に考えると迷いません。
まず、食材を決めます。何があるか、どんな性質か。かたいのか、やわらかいのか、水が多いのか、脂が多いのか、うまみは強いのか。冷蔵庫の中を、性質で見てみます。
次に、調理法を選びます。かたい素材なら、煮る・蒸すで時間をかけてやわらかく。香ばしくしたいなら、焼く・揚げる・炒めるで表面を高温に。水が多い野菜は、炒めて水を飛ばすか、生かして蒸すか。素材の性質と、出したい仕上がりから決めます。
最後に、味つけを考えます。うまみの土台は何から取るか(だし、トマト、肉、乾物)。塩でどれくらいの濃さにするか。あまさ・酸・香りをどう重ねるか。そして、いつ入れるか。
もう一歩
実際にやってみましょう。たとえば、鶏肉と玉ねぎとにんじんがあったとします。
鶏肉はうまみが強く、玉ねぎは加熱するとあまくなり、にんじんはかたいので火が通りにくい。ここまでで、にんじんは小さく切るか、先に火を通すべきだ、と決まります。
香ばしくしたいなら、鶏肉を先に焼いて香りを作り、そのあと水を加えて煮る、という組み合わせにできます。うまみは鶏肉から出るので、だしはいりません。塩で味をととのえ、あまさがほしければ玉ねぎをよく炒めるか、みりんを少し。仕上げにこしょうを一ふり。これでもう、ひとつの料理の設計図です。
大事なのは、味を見ることです。ひとくち味わって、うすければ塩、こくがたりなければうまみ、重ければ酸を少し。プロも、必ず途中で味を見て直しています。一度で完成させようとしなくていいのです。
そして、記録すること。何を、どう作って、どうだったか。うまくいっても、失敗しても、書いておけば次に生かせます。それは、あなただけのレシピが増えていくということです。
へぇ、となる話
世界のほとんどの家庭料理は、もともとレシピなしで作られてきました。おばあちゃんの味に分量が書いていないのは、目分量と、味を見る力でできているからです。しくみを知り、味を見て、直していく。あなたも今日から、その仲間に入れます。
身のまわりの同じしくみ
冷蔵庫にあるものでの一品、キャンプの料理、余りものアレンジ。決まった正解のない場面こそ、自分で設計する力の出番です。台所は、あなたの実験室です。