素材と味付けの相性は、どうやって決まるの?
まず、答え
相性のよさは、感覚だけで決まっているわけではありません。うまみを足し合う、たりない味をおぎなう、強すぎる味を打ち消す、香りを油にのせる。この4つのどれかにあてはまることが、とても多いのです。
どうして?
1つめは、うまみのかけ算です。こんぶとかつお、トマトと肉、しいたけと鶏。種類のちがううまみを合わせると、味は足し算ではなく、かけ算のように強くなります。
2つめは、たりない味をおぎなうことです。あっさりした白身魚には油やバターを、脂の多い豚肉にはしょうがや酢を。相手が持っていないものを足すと、全体のバランスがとれます。
3つめは、打ち消し合いです。にがい野菜に少しのあまさ、すっぱいものに少しの塩、脂っこいものに酸味。強すぎる味は、別の味を少し足すとおだやかになります。
4つめは、香りの運び方です。香りの成分の多くは油にとけやすいので、にんにくやハーブは油といっしょに使うと、よく広がります。
もう一歩
昔から定番とされている組み合わせを、この4つで説明してみます。
トマトとチーズは、どちらもグルタミン酸が多く、そこにアンチョビや肉のイノシン酸が加わると、うまみが一気に立ち上がります。
刺身にしょうゆとわさびを合わせるのは、しょうゆのうまみと塩味を足しながら、わさびの香りで魚のにおいをおさえるためです。
豚肉としょうが、さばとみそ、鶏とレモン。どれも、脂やにおいの強い素材に、香りや酸をぶつける形になっています。
そして、意外に大事なのが「食感の相性」です。やわらかいものだけの料理はぼんやりして感じられます。とんかつのキャベツ、カレーの福神漬け、ちらしずしのきゅうり。かたさや歯ざわりのちがいも、おいしさの一部です。
つまり相性を考えるときは、味・香り・食感の3つを見ればよい、ということになります。
へぇ、となる話
世界の定番の組み合わせを、香り成分で調べた研究があります。西洋の料理では、同じ香り成分を持つ食材どうしを合わせる傾向が見られ、東アジアの料理ではむしろ逆の傾向が見られた、という報告です。おいしさのルールは、ひとつではないのかもしれません。
身のまわりの同じしくみ
みそ汁のわかめととうふ、カレーの肉と玉ねぎ、パスタのトマトとチーズ、から揚げとレモン。定番と呼ばれるものには、たいてい理由があります。