蒸すと、どうしてふっくらするの?
まず、答え
蒸すとは、100度の水蒸気で食べものをあたためる調理です。まわりじゅうが湯気なので、食べものの水分がにげません。だから、ふっくらと仕上がります。
どうして?
水蒸気は、冷たい食べものにふれると、そこで水にもどります(結露空気が冷えて、含みきれない水が水滴になること。)。このとき、持っていた熱を一気に食べものにわたします。
湯気が当たったところが、じつはとても効率よくあたたまるのは、このためです。おふろの湯気で顔があつくなるのも、同じことが起きているからです。
そして、まわりが湯気でいっぱいなので、食べものの中の水は外へ出ていけません。煮ものとちがって煮汁に流れ出ることもないので、うまみも栄養も、中にとどまります。
もう一歩
液体が気体になるとき、まわりから熱をうばいます(気化熱液体が蒸発するとき、まわりから奪う熱。)。逆に、気体が液体にもどるときは、その分の熱を出します。この出入りする熱を潜熱といい、温度計には出てこないのに、量はとても大きいのが特徴です。100度の水蒸気が持っている熱は、100度のお湯よりずっと多いのです。
蒸し料理でも温度の調整は必要です。茶わん蒸しやプリンに、すき間(す)ができてしまうのは、火が強すぎて中の水が沸騰液体が中から気体(あわ)になること。し、あわになったからです。ふきんをはさんでふたのしずくを止め、湯気を少し弱めて、85度から90度くらいでゆっくり固めると、なめらかになります。
ゆでるとお湯に流れ出てしまう水にとけやすいビタミンやうまみも、蒸すと食材にのこります。野菜を蒸すと味が濃く感じられるのは、そのためです。
へぇ、となる話
100度の水蒸気は、100度のお湯よりも大きなやけどになります。同じ温度なのに危なさがちがうのは、水蒸気が水にもどるときに、大量の潜熱を出すからです。蒸し器のふたを開けるときは、必ず顔をそらしてください。
身のまわりの同じしくみ
シュウマイ、蒸しパン、茶わん蒸し、赤飯、ごはんの蒸らし。日本の台所は、水蒸気の熱を昔から上手に使ってきました。