さとうは、あまくする以外に何をしているの?
まず、答え
さとうは、あまくするだけの調味料ではありません。水をかかえこんでしっとりさせる、こげ色と香りを作る、菌がふえにくくする、たんぱく質がかたくなるのをおさえる。この4つの仕事をしています。
どうして?
さとうには、水を強く引きつけてはなさない性質があります。だから、生地や肉にさとうが入っていると、水がにげにくく、しっとりやわらかく仕上がります。
パンやカステラがぱさつかないのも、ハンバーグや肉の下味に少しのさとうを使うとやわらかくなるのも、この性質のおかげです。
さらに、さとうは加熱すると変化します。だいたい160度をこえるあたりから、こげて茶色くなり、ほろにがい香りが生まれます。これがカラメルです。プリンの上の茶色いソースは、さとうと水だけでできています。
もう一歩
さとうの分子は、塩よりずっと大きいので、食べものの中に入っていくのに時間がかかります。「さしすせそ」でさとうが先なのは、この理由です。塩を先に入れてしまうと、水が外へ出てしまい、さとうが入る道がせまくなります。
さとうは、たんぱく質が固まる温度を少し高くするはたらきもあります。プリンや卵焼きにさとうを入れるとなめらかになるのは、卵が急にかたくならず、ゆっくり固まるからです。
保存の面でも役に立ちます。ジャムや甘露煮が長持ちするのは、さとうが水をかかえこんでしまい、菌が使える水が残らないからです。塩づけと同じ考え方を、さとうでやっているわけです。
なお、料理でよく使うのは白いさとう(上白糖・グラニュー糖)ですが、黒糖やきび糖にはミネラルと独特の香りがあり、和三盆は口どけがちがいます。あまさの強さだけでなく、香りとこくで選ぶこともできます。
へぇ、となる話
焼くとこんがりする反応には、2種類あります。さとうだけがこげるカラメル化と、糖とたんぱく質が結びつくメイラード反応です。ホットケーキの表面では、この2つが同時に進んでいます。だから、あの色と香りは、砂糖と卵と牛乳の合作なのです。
身のまわりの同じしくみ
ジャム、カステラ、プリンのカラメル、照り焼きのつや、ハンバーグのやわらかさ。あまさの向こう側に、さとうのいろいろな仕事があります。