こしょうや香辛料は、なぜ料理に使うの?
まず、答え
香辛料の仕事は、香りをつけること、刺激をあたえること、においを消すこと、そして食べものを長持ちさせることです。味そのものというより、鼻と皮ふにはたらきかけています。
どうして?
こしょうをかけると、ぱっと香りが立ちます。香りの成分は、あたためられると空気中にとび出しやすくなり、鼻に届くからです。料理の仕上げにこしょうをひくのは、飛んでいきやすい香りを、食べる直前に足すためです。
からさは、じつは味ではありません。とうがらしのカプサイシンは、舌や口の中の「熱い」「痛い」を感じる神経を刺激します。だから、からいものを食べると汗が出て、体があつく感じます。脳が本当に熱いとかんちがいしているのです。
肉や魚のにおいが香辛料でやわらぐのは、強い香りがにおいをおおいかくすほか、においのもとになる成分と結びついて変化させるはたらきもあるためです。
もう一歩
香辛料の香り成分の多くは、水よりも油にとけやすい性質を持っています。カレーを作るとき、はじめに油でスパイスを弱火で熱するのは、香りを油に移してから全体に行きわたらせるためです。
使う順番も変わります。長く煮る料理では、はじめに入れて全体になじませるものと、仕上げに入れて香りを立たせるものを分けます。ローリエやシナモンのように、長く加熱しても香りがのこるものは先に、こしょうやハーブのように飛びやすいものは後に入れます。
多くの香辛料には、菌がふえるのをおさえるはたらきもあります。暑い地域の料理に香辛料が多いのは、味の好みだけでなく、食べものを守るための知恵でもありました。
へぇ、となる話
こしょうは、かつてヨーロッパで、同じ重さの銀と交換されたと言われるほど高価なものでした。香辛料を手に入れる道を探した動きが、大航海時代につながり、世界の地図をぬりかえていきます。ふだん何気なくふりかけている一ふりが、歴史を動かしたことがあるのです。
身のまわりの同じしくみ
カレー、麻婆豆腐、ジンジャーエール、シナモンのお菓子、山椒のかかったうなぎ。香りと刺激は、世界じゅうの料理の顔になっています。