調味料は、それぞれ何をしているの?
まず、答え
調味料の仕事は、味をつけることだけではありません。水を引き出す、やわらかくする、色や香りをつける、においを消す、くさりにくくする。ひとつの調味料が、いくつもの役目を持っています。
どうして?
台所によくある調味料を、仕事で見てみます。
塩は、味の土台です。食べものの水を引き出し、身をひきしめ、菌がふえにくい状態を作ります。
砂糖は、甘みをつけるほかに、水をかかえこむ性質があります。肉に砂糖をもみこむとやわらかくなり、パンやカステラがしっとりするのは、このためです。焼くと茶色い色と甘い香り(カラメル)になります。
酢は、すっぱさをつけ、たんぱく質を固めます。ポーチドエッグのお湯に酢を入れるのは、白身をすばやく固めるためです。菌がふえにくくなるので、保存にも役立ちます。
しょうゆは、塩味とうまみと香りが1本に入っています。大豆と小麦を発酵微生物が食べ物を、人に役立つように変えること。させて作るからです。
みそも発酵調味料で、塩味とうまみに加えて、においを吸いとる力があります。魚のみそ煮が生ぐさくならないのは、これが効いています。
油は、じつは味がほとんどありません。かわりに、なめらかな口ざわりを作り、香りの成分をとかしこんで運び、100度をこえる高い熱を伝えます。
こしょうや香辛料は、香りと辛みをつけ、肉や魚のにおいをおさえます。
みりんと酒は、やわらかい甘みとうまみを足し、つやを出し、くさみを飛ばします。
もう一歩
「さしすせそ」(砂糖・塩・酢・しょうゆ・みそ)の順番には、理由があります。
砂糖は分子が大きく、中まで入るのに時間がかかるので先。塩は入りやすく、しかも水を引き出してしまうので、砂糖より後。酢としょうゆとみそは、香りが熱でとびやすいので最後、というわけです。
ただし、これは煮ものを想定した目安です。炒めものや、下味をつけてから焼く料理では、順番も回数も変わります。大事なのは順番を覚えることではなく、「入りにくいものが先、香りをのこしたいものが後」という考え方のほうです。
へぇ、となる話
しょうゆの黒っぽい色は、原料の大豆の色ではありません。発酵と熟成の間に、糖とアミノ酸が反応して色と香りができます。焼いたパンや肉がこんがりするのと、同じ仲間の反応です。
身のまわりの同じしくみ
冷蔵庫の扉のポケットを見てみてください。並んでいる調味料のほとんどが、味づけと保存の両方をこなす、昔からの発明品です。