味付けってなに?なぜ味がしみこむの?
まず、答え
味付けは、味の成分を食べものの中まで届ける作業です。味の成分は水にとけて、濃いところから薄いところへ、ゆっくり移動していきます。だから味がしみこむには、時間が必要です。
どうして?
塩やしょうゆを食べものにかけると、まず表面がぬれます。とけた味の成分は、まわりの濃いところから、まだ味のない中のほうへ、じわじわと広がっていきます。これを拡散といいます。
水にとけていないと、味の成分は動けません。舌も同じで、乾いたままの塩のつぶは、つばでとけてはじめて「しょっぱい」と感じられます。
もう一歩
基本の味は5つ、あまい・しょっぱい・すっぱい・にがい・うまみです。からいは味ではなく、痛みを感じる神経の反応で、しぶいは口の中がきゅっとする触った感じに近い刺激です。
塩には、味をつける以外にもうひとつ大きな仕事があります。食べものの中の水を外へ引き出すことです(浸透圧)。きゅうりを塩もみするとしんなりするのは、水が出ていったからです。肉や魚に早めに塩をふると水が出て、うまみもいっしょににげてしまうことがあります。焼く直前にふるか、時間をおいて味をなじませるか、目的で使い分けます。
砂糖の分子は塩よりずっと大きく、食べものの中へ入るのに時間がかかります。「さしすせそ」で砂糖が先なのは、この順番なら両方ちゃんと入るからです。
そしてもうひとつ。煮ものの味は、火にかけている間よりも、火を止めて冷めていくときにいちばん入ります。あたたまってふくらんでいた食材が、冷えて縮むときに、煮汁を吸いこむからです。
へぇ、となる話
塩は、しょっぱくするだけの調味料ではありません。少しの塩は甘みを強く感じさせ、にがみをやわらげます。スイカやあんこに塩を少し入れるのは、このためです。ちがう味どうしが影響し合うことを、対比効果といいます。
身のまわりの同じしくみ
浅づけ、肉の下味、パスタのゆで汁の塩、おにぎりの塩。どれも「とかして、時間をかけて届ける」という同じことをしています。