和食の味つけは、なにでできているの?
まず、答え
和食の味つけは、だしのうまみを土台にして、しょうゆ・みそ・みりん・酒という発酵微生物が食べ物を、人に役立つように変えること。調味料を重ねたものです。油と香辛料は控えめで、素材の味をのこすことをめざしています。
どうして?
だしでうまみの土台を作っておくと、塩の量が少なくても、ものたりなく感じません。うす味なのに満足できるのは、うまみが下から支えているからです。
味つけに使うしょうゆ・みそ・みりん・酒は、どれもこうじの力で作られた発酵調味料です。塩味やあまさだけでなく、うまみと香りをいっしょに持ちこんでくれます。だから、調味料の数が少なくても、味に深さが出ます。
油をあまり使わないぶん、水の中の調理(煮る・蒸す・ゆでる)が中心になります。素材の形も色も、なるべくそのままのこす作り方です。
もう一歩
煮ものの味つけには、覚えやすい目安があります。だし8に対して、しょうゆ1、みりん1。これを基本にして、あまくしたければみりんを、しっかりさせたければしょうゆを増やします。すべての煮ものがこの比率というわけではありませんが、迷ったときの出発点になります。
和食のもうひとつの特徴は、一皿の中で完成させないことです。一汁三菜という形では、汁もの、主菜、副菜が別々に置かれ、口の中で組み合わせながら食べます。ごはんは味がついていないので、おかずの塩味を受け止める役をします。ごはんが白いままなのは、手ぬきではなく設計です。
季節を出すことも、味つけの一部と考えられてきました。旬の素材は、その時期にいちばんおいしく、栄養も多くなります。切り方や器や盛りつけを整えるのは、目から入る情報も味の感じ方を変えるからです。
引き算の料理と言われるのは、足すものを減らしたぶん、素材とだしと時間で勝負しているからです。
へぇ、となる話
和食は、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。登録されたのは、特定の料理ではなく、自然を尊重する日本人の食の習わし全体です。だしを取り、旬を選び、器に盛る。その一連の考え方が、守るべき文化として認められました。
身のまわりの同じしくみ
みそ汁、煮もの、焼き魚、漬物、炊きたてのごはん。給食の和食の日の献立も、たいていこの型でできています。