和食・イタリアン・中華は、なにがちがうの?
まず、答え
大きなちがいは3つです。うまみをどこから取るか、油をどれくらい使うか、火をどれくらい強くするか。この3つの組み合わせが、料理の「らしさ」を作っています。
どうして?
和食は、こんぶとかつおぶしのだしからうまみを取ります。油は少なめで、煮る・蒸す・ゆでるという、水と100度の世界がまん中にあります。味つけは、しょうゆ・みそ・みりんという発酵微生物が食べ物を、人に役立つように変えること。調味料です。
イタリア料理は、だしをあまり使いません。かわりに、トマト・チーズ・生ハム・アンチョビといった、それ自体にうまみをためこんだ食材を使います。オリーブオイルをたっぷり使い、にんにくとハーブの香りを油にのせて運びます。
中華料理は、鶏や豚の骨をじっくり煮出したスープ(湯・タン)と、干し貝柱や干ししいたけなどの乾物からうまみを取ります。そして、強い火と多めの油で、炒める・揚げるを短時間で行います。
もう一歩
3つとも「うまみを土台にする」という点では、まったく同じことをしています。ちがうのは、その土地で手に入るものと、気候です。
日本は水がやわらかく(軟水)、こんぶやかつおのうまみが出やすいので、短時間でだしを取る方法が育ちました。ヨーロッパの多くの地域は水がかたく(硬水)、時間をかけて骨や肉から煮出すスープが発達したと言われます。
イタリアがオリーブオイルとトマトなのは、その土地でよく育つからです。中華の強い火は、燃料をむだにせず、少ない油と短い時間でたくさんの料理を作るための工夫でもありました。
つまり、料理の型は、だれかが決めたルールではありません。手に入るもの、気候、道具、燃料、この条件の中で、いちばんおいしくなる方法を探した結果として残ったものです。条件がちがえば、答えもちがってきます。
へぇ、となる話
日本の「だし」、中国の「湯」、フランスの「ブイヨン」。呼び名も材料も作り方もちがうのに、していることは全部「うまみを水に移す」です。世界のどこでも、人は同じところにたどりつきました。おいしさには、共通の法則があるのかもしれません。
身のまわりの同じしくみ
給食の献立表を見てみてください。和・洋・中が1週間の中に並んでいます。同じ食材が、日によってまるでちがう顔になっているのがわかります。